2007年1月31日水曜日

海外でのCO2排出

日本企業が、海外で工場を作っても、日本でのCO2排出量は増えない。海外に工場を持っていなくても、海外からの調達を増やせば、現地でのCO2排出は増えても、日本での排出量は増えない。
京都議定書がCO2大量排出国の米国や中国などで効力を持たないのは、政治の責任だ。しかし、中国や米国などの議定書を無視する国を抜け道に使わないよう心がけるのは企業の責任、CSRの一部だと思う。

児童労働の実態がある企業からの調達を控える企業はある。しかし、京都議定書を批准しない国との取引を控える方針を取る企業は見かけない。そのため、議定書を無視する国からの調達は増え続け、二酸化炭素も増え続ける。2006年の日経メーカーの中国での自動車生産台数は98万3600台で、中国での販売総数の25.69%を占め、シェアトップに立った。中国や米国のCO2排出が減らないのは、日本の企業の責任でもある。
CO2を隣の国に捨てておいて、自分の国だけはきれいしておくような、恥ずかしいまねはしないようにしたいものですね。

中国のCO2排出

06年の中国全土の発電能力は前年比20.3%増(発電ユニット出力6.22億KW)だった。07年は,約7000万KWを増量する計画なので,11%以上増える。消費電力量も14.0%増の2兆8248億KWhに達した。

05年に中国は,世界のCO2排出量の9.2%(23億ton)を排出している。中国のエネルギー消費が,毎年10~15%増加すると,世界の二酸化炭素排出量が1%づつ増えていく。

中国では,送電線での電力ロス低減や,古く効率の悪い発電所の稼働停止などで,発電効率を上げてCO2抑制に努力し,2020年までに風力3000万KW、バイオマス3000万KW、太陽光発電180万KWを達成することを目標にしているが,年間3000万KWh以上消費量が増えていては,焼け石に水。
こうなると温暖化は避けられない。

2007年1月30日火曜日

積水ハウスのCSR

積水ハウスが50名規模の専任者を配置したCSR部を設立した。
同社のCSRの方針は
『環境』『CS品質』『人材』で『際立つ』こと。即ち,『環境』を基軸に持続成長すること、『モノの品質』を極めてお客様に感動していただくこと、従業員の自己実現を支援し『人が活きる』環境を創ること
だそうです。
「環境コストを内部化し,顧客および従業員満足度を上げる」というが積水ハウスのCSRの全てだとしたら,ずいぶん限定的なCSRです。
CSRは,社会に対する責任です。もう少し社会に目を向けてはどうでしょう。50人も専任者がいるのだから。

2007年1月29日月曜日

CSRトップ100

世界で最も持続可能性のある企業100社が発表された

 1位:ABN Amro銀行 :オランダ
 2位:Adecco    :スイス
 3位:Addidas    :ドイツ
 4位:Admvanced Micro Device:米国
 5位:Tgilent Technologies :米国

日本企業は、Bennes13社がランクイン
14位:Bennese
22位:Daikin Industries Limited
23位:Daiwa Securities Group Inc
24位:Denso Corp.
27位:East Japan Railway Company
56位:Kuraray Company Limited
61位:Mitsubishi Heavy Industries Limited
64位:Nippon Yusen KK
66位:Nomura Holdings Inc
69位:NTT Docomo Inc
74位:Ricoh Company Limited
89位:Toppan Printing Company Limited
90位:Toyota Motor Corp
順位を競うようなものではないと思うが,脱税摘発されたトヨタでも90位に入れた。

天ぷら油でCO2削減

トヨタのランクルが,天ぷら油(廃油)から作ったバイオ燃料だけを使って,7900kmのパリダカールリレーを完走した。使った天ぷら油は,約10,000リットル。天ぷら油1リットルで,790m走った計算だ。リッター0.8kmになる。

東京大阪間を500kmとしてその往復には,1200リットルの天ぷら油が必要。毎週1リットルの天ぷら油を捨てるとして,1200リットル貯まるのに23年かかる。捨てる天ぷら油が月に1リットルだと1200リットル貯まるのに100年かかる。
各家庭が自宅で捨てる天ぷら油を燃料にすると,年間10km~40kmドライブできるという見方もできる。

天ぷら油を燃料にしても,エネルギー問題の解消にはほど遠い。塵を集めて山とするための第1歩というところだろう。

2007年1月28日日曜日

CSRで金利優遇

CSRに積極的に取り組む企業に金利を優遇する新制度を、東邦銀行が1月から導入した。金利を最大2.0ポイント優遇する。
その第1号として精密機械部品加工会社のエヌ・ティー・エス(福島県浅川町)が発行した銀行保証付き私募債を受託した。エヌ・ティー・エスは、環境ISO(ISO14001)を取得し、環境に配慮しながら高精度の部品加工などを手掛けている。同社の私募債は1億円で期間は5年。

中国もバイオ燃料

中国が,バイオ燃料生産に乗り出す。雲南省と四川省に4000ヘクタールの農場で燃料となる作物を生産し,年間60,000トンのバイオ燃料を今年から生産する計画だ。海南島と貴州省での生産も検討している。

中国の2005年のエネルギー消費は,石炭に換算して22.3億トン相当であった。内,1.7億トン相当(7.6%)は,輸入に依存している。中国政府は,風力,太陽光,バイオ燃料の開発を,2006年から第11次5カ年計画で推進中である。

中国の食料自給率は95%であり,食料輸入国である。その中国で,農業生産の一部が,バイオ燃料に振り向けられると,食料輸入がさらに増え,世界のどこかで食料不足が深刻化する可能性がある。

安い食料を,お金のある国が,燃料用に使ってしまうと,お金の無い人は飢えに直面する。食料を燃料にすることの功罪を真剣に考える必要がある。

2007年1月27日土曜日

スターバックスジャパンのCSR

米国のスターバックスは、07年1月から、米国内の約半数の店舗で、トランス脂肪酸(TFA)を含まない商品に切り替える。シアトルやロサンゼルス、ニューヨークなど全米主要十都市の店舗で、マフィンやサンドウィッチなどすべての商品がトランス脂肪酸を含まないものになり、年内には、全店でトランス脂肪酸の使用を中止する方針。
  
スターバックスジャパンのウエブサイトにある「CSRについて」のページには、「すべての人に対して敬意と尊厳をもって接する」なんて書いてあるのですが、日本のスタバは、どうなってんの??
日本人はTFAの危険性に気づいていないから、TFAを食べてもらおうってことですかね。
TFAがガン、心臓病など多くの現代病の原因と指摘されてるし、ニューヨークでは来年8月から使用禁止にもなる。日本人にも敬意と尊厳をもって接してください

2007年1月26日金曜日

右肩下がりの社会

厚生労働省の推計によると、少子化により、2050年の労働力人口が4471万人になる、05年のより2179万人減り3分の2になる見通しである。
女性や高齢者を最大限活用した場合でも、05年の4分の1以上に当たる1786万人の労働力が減少する。2050年には社員数が、25~30%減ることになる。2030年の段階で、15%(1053万人)減少する。
社員が減るだけけでなく、消費者が減るということでもある。右肩下がりの社会でも通用するサスティナビリティが必要になる。

2007年1月25日木曜日

日本は世界第2位の格差社会

収入が、平均収入の半分以下の人の割合は、日本は世界2位だそうです。

13.7%: 米国
13.5%: 日本
11.9%: アイルランド
日本の数字は現役世代だけを対象にした数字で、全世代を対象にすると15.3%になるとのこと。しかも、この数字は,2000年の調査。今はもっと格差が拡大してる。
派遣社員や業務委託,アウトソースなどで、安い労働力を使う企業。同じ仕事でも、社員と派遣で給料が違う。当たり前になっていますが、CSR経営とか言っている企業がこういうことをしていると、偽善を感じます。

2007年1月24日水曜日

日本で月給34,000円の現実

外国人労働者を,研修生名目で受け入れ,月給64,000円で雇う。しかも,そのうち3万円は,研修終了時まで強制積立させ退職時に渡すので,手取りは34,000円。食うや食わずの生活なのを知っていて,安くこき使う。しかも,逃げられないようにパスポートまで預かる。
日本人が,どこかの国でこんな目にあっていたら,その国に対して反感を持ちますよね。

生活できないので,犯罪に走る。外国人犯罪が増えると偏見が助長される。こき使った上に,差別までするの日本の社会。こんなことをしていては,NPOが途上国支援や援助をしても,政府がODAで支援しても,日本は嫌われる一方です。

企業がCSRを考え,サスティナビリティを考えるなら,外国人労働者を安くこき使うことを止めないといけません。こんな労働搾取がいつまでも続ける前提で経営をして良いはずがありません。
グリーン調達やCSR調達を考える時に,「外国人労働者から搾取していないこと」の確認も,調達条件に入れるようにすべきだと思います。

2007年1月23日火曜日

人口増加は,サステイナブルか

減少に転じた日本の人口が,06年には増加に転じた。4万人近く増えたそうだ。原因は,経済と雇用の改善。日本であれ途上国であれ,経済を改善し雇用増やせば,人口は増加率は上昇する。

「カルネアデスの舟板」という松本清張の小説がある。遭難し海に投げ出された2人の男の前に,船の板が流れてくる。小さな板は,2人でつかまれば板は沈んでしまうが,1人なら沈まない。
人口増が続けば,人口は,地球が支えられるの数をやがて超える。その時は,だれかが沈むか,全員一緒に沈むかだ。沈む人を国際会議で平和理に決めることなど想像できない。

人口増加を前提とした企業経営は,CSRの精神にのっとたサステイナブルな経営とは言えないのではないか。

2007年1月22日月曜日

水槽の中のグッピー

グッピーという熱帯魚を水槽で育てた。この魚はドンドン増える。増えすぎて水槽が過密になり、病気が発生して全滅してしまった。
世界の人口は毎年1%以上増えている。60億の1%は6千万人。2年で1億2千万人増える。2年毎に日本が1つづつ増えるような人口増加いつまで続けられるのだろうか。人間には知恵がある。グッピーのように病気で全滅することはないだろう。しかし、食料には限りがある。月や火星への移住も実現しそうにない。

鎖国をしていた江戸時代、日本の人口は3千万人のままだった。当時の農業技術で日本に暮らすこととのできる人口の上限が、3千万だったのだ。それ以上増えると、飢饉などで餓死者が出た。
二酸化炭素の排出量を1990年のレベルすることを決めた京都議定書の実行が重要であるように、今以上に人口を増やさないように努力することに各国が努力することも重要である。地球に暮らすことができる人の数は、無限ではあり得ない。増えすぎた人口が、飢饉や戦争によって調節される未来は見たくない。
社会貢献活動として、人口問題に取り組む動きが活発化することに期待したい。

2007年1月21日日曜日

温暖化防止策が、貧困を助長する

植物から作ったアルコールが注目されている。アルコールで走る自動車も少しづつ増えている。
植物由来のアルコールを燃やしても、植物が吸収した二酸化炭素が放出されるだけなので、大気中のCO2濃度上昇が抑制される。温暖化防止のために、積極的に利用しようとする動きがある。

アルコール燃料が注目され、材料になるトウモロコシの需要が増えて値段が上昇し06年1月の1ブッシェル(25kg)$2.1が同年12月には$3.9まで上昇した。トウモロコシで作ったトルティーヤが主食のメキシコでは、トルティーヤの値段が2倍になり、抗議デモも起きている。
トウモロコシは牛の餌にもなっている。コーンスターチとして、パン、ビール、ケーキなど様々な食品にも使われている。医療用にも利用されている。
トウモロコシの価格上昇による食品の価格上昇は、途上国の貧困層を直撃する。「車を買える人たちがドライブを楽しむと、途上国の人たちが食料を買えなくなる」という構造である。本格的に、植物由来アルコールが利用されるようになれば、トウモロコシの価格は、さらに上昇し、事態は悪化する。

環境対策としてアルコール燃料利用推進を実施するときは、要注意だ。社会貢献のつもりで実施しても、食料を奪うと行為だと糾弾されかねない。

2007年1月19日金曜日

不二家とISO 目的と手段

不二家は,ISO9001とISO14001を取得しています。ISO9001は,菓子事業本部,品質保証部,調達部が取得。ISO14001は,富士裾野工場、平塚工場、秦野工場が取得しています。
経済産業大臣が、記者会見でこれを問題にして,ISO認証機関に改めて審査するよう求めたそうだ。

どんなにISO審査を厳しくしたって,ルールを守るつもりがなければ,事件は再発する。運転免許試験を厳しくしたところで,飲酒運転が無くならないのと同じだ。審査や試験の時だけよい子になって,合格したらやりたい放題。こういう輩への対処は,取締強化しかない。試験だけ厳しくしても無駄。

受験の時だけ猛勉強して,合格したらやりたい放題。大学で勉強するために受験勉強している人は少数で,ほとんどの人が,大学に合格するのが目的。学生のときの,こういう経験を,社会に出て応用している企業経営者が多いのかもしれません。
品質向上のためにIOS9001を取得するのではなく,ISO9001を取得したことを社会に認知してもらうことを目的にする。環境を大切にするためにISO14001を取得したいと心から思っている経営者は少数。ISO14001を取得したら良い宣伝になるから取得している企業が多数派。
ISOを取得している会社のみなさんなら,この実態はよくわかっているはずです。

2007年1月18日木曜日

CSRは企業側の一人相撲?

日本人のCSR認知率は40%という調査結果がある(06年9月“FujiSankei Business i.”の調査)。20代女性に至っては認知率30%だ。
一方,60%の企業がCSRを意識した経営をしているという(環境省の17年度企業行動調査)。

CSRレポートを発行しても,消費者は「CSRって聞いたことないんだけど?」という感じ人が多数派。こういう現実をわかった上で,CSRに邁進している企業の方々は頑張っているですよね。

2007年1月17日水曜日

Windows Vista:新製品による格差拡大

まもなくWindows Vista販売開始。Vistaのライセンス管理はXPより強化され,正しくライセンス認証をしないとVistaが起動できなくなる。
途上国では,Windows XPの海賊版があふれている。政府機関でも堂々と海賊版が使われている国もある。パソコン本体は数百ドルで手に入るので,WindowsとOfficeの正規版を買うお金で,パソコン本体がもう一台買える。海賊版使用を前提としたパソコン購入をやめて購入台数を半分にするか,海賊版前提で2倍の台数を購入するかの選択になる。政府であれ民間であれこの選択に悩む。悩んだ結果,1台のパソコンより2台のパソコンを選んでいる。
ライセンス管理を厳密にすれば,同じ金額で調達できるパソコンの台数が半減することになる。学校のパソコンも半分になり,デジタルデバイドは拡大する。

LinuxとOpen Officeという選択肢もある。Windows Vistaが2万円?5万円,Office 2007も2?8万円,あわせて買うと4?13万円になる。「そんな大金を払うなら,LinuxとOpen Officeにする!」という人が,どれだけいるだろうか。途上国は,LinuxとOpen Officeで良いではないかという方は,自宅のパソコンで使ってみて欲しい。

薬でも同じ問題がある。優れた新薬が開発されるが途上国では,買うお金がない。製造コストは安いので,開発元にロイヤリティを払わずにコピーを作る国が出てくる。そんなことがまかり通れば,お金をかけて新薬を開発する企業が無くなってしまう。しかし,薬があるのに,「お金が無い人は苦しんでくれ」とは言えない。

コピーを許容せよと言っているのではないが,優れた新製品が出るたびに,格差が広がってゆく。
切ない現実を嘆く以外に何ができるのだろう。

2007年1月16日火曜日

CSRと陰徳は犬猿の仲?

陰徳,善行,清貧といった言葉を最近聞かなくなった。井戸塀政治家も絶滅してしまった。
企業は立派なCSRレポートを発行し,社会貢献活動や環境配慮などの自社が行った善行をアピールに熱心だ。針小棒大にアピールしているのではないと思うが,陰徳を積むつもりが無いのもあきらかである。

サスティナブルな事業展開も社会貢献も大賛成である。しかし,善行を喧伝されると反感のような感情が生まれるのはなぜだろう。CSR活動をアピールしてSRIファンドなどに自社株を買ってもらいたいという企業の動機は理解できる。それに,陰徳に何千万も使ってしまっては,株主が納得しないだろう。
しかし,「私はこんなに善いことをしました!」と大声叫んでいるのを聞くと,素直に「偉い!」と思えなくなる。
もちろん陰徳を積んでいる企業もあるのだろうが,陰徳なので目に触れない。陰徳を積んでいる企業を見てみたいと思うのは矛盾そのものではあるが,見てみたい。見ることができたら,CSRと陰徳は相容れない関係なのかどうか判るような気がする。

2007年1月15日月曜日

大富豪の品格

三洋信販が業務停止になった。サラ金として,ひどいことを沢山(*1)したためだ。

この会社は,椎木正和さんの会社です(*2)。正和さんと言えば,2006年にForbesの「日本の富豪40人」の第30位だった人です。

日本の富豪TOP40にランキングされる人の会社が,あこぎなサラ金業で金儲けとは,悲しい限りです。ランキング2位の武富士創業者の武井保雄さんが,「右翼は暴力団に弱い。暴力団は警察に弱い。警察は右翼に弱い。この三つをうまく使って物事を収めろ」と言っていた人だから,日本の富豪の品格はたかがしれたものかもしれない。ちなみに,孫正義さんが1位。公正取引委員会から警告を受けたソフトバンクモバイルのオーナーです。
富豪でも,33位の稲森さんは稲森財団をつくって社会貢献に熱心,35位の豊田章一郎さんも現役当時「トヨタ社会貢献委員会」の委員長だったり,今もトヨタ財団の理事だったりして頑張っている。富豪ランク4位だったサントリー2代目社長の佐治信忠さんも,サントリー文化財団の理事長をしている。14位の任天堂3代目社長の山内溥さんも京大附属病院に約70億円の個人資産を寄附した。
財団つくったりしてお金を使えば良いというものでもないが,サラ金で金儲けよりはだいぶまし。

(*1)指摘された違法行為は530件
(*2)椎木正和さんが20%の株をもち,椎木家関連企業の持ち分を加えると約50%の株が椎木正和さん関連です

2007年1月14日日曜日

CSRは、株価をあげるための活動

このブログに掲載されれるGoogleの広告に「株」関連のものが目立つ。CSRと社会貢献のことを書いているブログは、「株」関連広告を掲載するのに向いていると思われているらしい。
CSRは、株価を上げるための活動に過ぎないという事だろう。「企業活動全般が、自社株の株価を上昇させることを目的にしているので、CSRであれ社会貢献活動であれ、例外ではない。」ということを再認識しました。

2007年1月13日土曜日

社会貢献は広報や総務が片手間で

経団連の1%クラブのページにある社会貢献活動担当部署をのぞいてみた。

リストアップされている100ほどの大手企業で社会貢献活動を担当している部署名を見ると広報部がダントツで多い。2位が総務部と1位の広報部を会わせると約半数の企業が広報・総務系が社会貢献活動も担当している。
社会貢献活動のための専門部署が必要なほど社会貢献活動に本腰を入れている企業は少数だという事でしょう。立派なCSRレポートを出している企業も、社会貢献活動は広報や総務が片手間に実施している現状が透けて見えます。

社会貢献活動担当部門の内訳

28社 広報 広報室/広報部/広報・渉外室/調査広報部など
17社 総務 総務部/総務人事部/総務・広報部/事務企画部など
16社 社会 社会貢献室/社会環境推進室/社会文化室など
6社 CSR  CSR室/CSR推進室/CSR部/CSR環境推進室など
5社 環境 環境室/環境部/環境・社会貢献室など
3社 文化 文化事業部など
31社 その他 社長室/秘書室/渉外部/マーケティング部門など

2007年1月12日金曜日

富士山初冠雪で知る温暖化

今年は暖冬。富士山がきれいに見えたので,富士山の初冠雪日で,温暖化が判らないかどうかみてみた。

初冠雪の日は,100年で5日くらい遅くなっていた(右のグラフ)。100年で5日とは,思ったより小さな変化だ。誤差のようでもある。
一番,初冠雪が遅かったのは,1956(昭和31年)の10月26日。2006年は10月7日。

富士山の雪が,みるみる溶けてゆけば,みんな真剣になるのだろう。しかし,100年で5日なら,「まっ,いいっか」といったところだろう。
企業の環境対策も,「まっ,やっとくか」といったレベルのような気もする。

NPOスタッフの給与

「年収250万で昇級の見込みない,でもやりがいの有る仕事」と「年収500万のサラリーマン」どちらを選びますか。

NPOスタッフの平均年収は,サラリーマンの平均年収の半分以下だそうです。。年収「200~300万円」の人が28.8%、「1~200万円」が26.2%、「100万未満」18.5%。 年収300万円未満のスタッフが7割を占め,全体の2割のNPOには有給スタッフがいない(ボランティアだけ)。有給のスタッフを抱えるNPOでも,年間予算規模は「1,000~5,000万円未満」が多い(*1)。約1割NPOでは,スタッフの年収が50万円以下という調査結果もある。
サラリーマンの平均年収436万円。

社会への貢献に生き甲斐を感じ,お金は二の次で,清貧に甘んじながら社会のための活動を継続する人というのが,日本がNPOスタッフに求める姿のようだ。寄付金をスタッフの給与に使うと,クレームが来る社会が日本である。スタッフは薄給に甘んじざるを得ない。

EUでは,地域社会の活性化を図るために、NGO(民間非営利組織)に対する支援を政策化しています。さらに「高収入=>強欲=>反社会的」といった考えや,慈善事業を行う者は清貧であるべきといった風潮もなく,数千万円の年収を得て,リッチな暮らしをしているNGOスタッフもいる。

NPO(非営利組織)という名前を改めてはどうだろう。立派な活動をする人は対価をもらって当然である。NPOではなくNGOと呼ぼうではないか。NP(非営利)を押しつけ,尊い活動を行っている人に清貧を求めるのはやめようではないか。

ちなみに,国際貢献で頑張っているJICAの職員の平均年収は801万(H.15年)。海外勤務のJICA職員の平均年収が1,354万円,JICA理事長は年収2,306万円
UNESCOやWFPなどの援助活動をやっている国連職員の場合は,41才の国連職員(日本人)で年収が800万円弱。税金は免除。本国に家族を残してきた場合の生活維持費がこれに加算される。紛争地域に行けば、特別手当が支給つく。
国連事務総長の年収は20万ドル(2500万円)。

日本のNGOの給与は,JICAや国連職員の四分の1しかない。
NGOのスタッフは,社会貢献で儲けたいとは思っていないだろう。しかし,普通の暮らしをしたいとは思っているだろう。JICAの職員半分400万とか,サラリーマンの平均年収436万円くらいはもらってもいいのではないだろうか。

普通のサラリーマンの半分の年収しか期待できないNPOスタッフの現実を放置したままで,日本のNGO活動が盛り上がるとは思えない。

(*1)「働く場としてのNPO~民間非営利組織の活動と労働行政に関する調査研究報告」(労働省 1997年)による

2007年1月11日木曜日

日本のODAは,交際費

2006年12月出た政府開発援助(ODA)白書2006年版では,ODAの変質が宣言されていました。
白書によれば,以下のようになります。
========================================
ODAは、1954年の開始以来、日本の国際貢献の重要な手段として、国際社会の平和と発展に寄与し、戦後日本の国際社会における地位向上を目指してきた。
その後高度経済成長を経て、時代とともに変化し,多様化する課題に対応してきた。

当初,冷戦構造の崩壊等を背景にODA大綱が策定されてきたが,新たな課題に対応し「人間の安全保障」の視点を踏まえ、ODA大綱の改定も行った(03年)。

今,新たな国際環境の中、ODAに新たな使命が求められている。特に、貿易・投資環境を整備するための経済協力を通じて民間経済活動を促進し、連携を深めること及び資源・エネルギーの確保にODAを活用すること等が重要である。
========================================
ODAの目的がこう変化すると,ODAは国際貢献ではなく,外交の道具ですね。
企業で言えば,交際費のようなものであって,社会貢献費用ではなくなったということのようです。

2007年1月10日水曜日

社会貢献で行政の尻ぬぐい

財政破綻で有名な夕張市のJR夕張駅のトイレは,夕張市が管理していた。
しかし,夕張市が財政破綻したため閉鎖されていた。
この閉鎖されているトイレを,岐阜県のIT企業が,運営費を出して再開するそうだ。
駅のトイレが使えるようになって,メデタシめでたし。で良いのだろうか。

岐阜の企業は偉い。社会貢献の一環として,良いことをしていると思う。
しかし,行政の失敗を社会貢献で穴埋めするのは,釈然としない。
財政破綻を穴埋めする手段として,社会貢献やCSRに使われるお金に,行政が期待しているとしたら,許せない。

2007年1月9日火曜日

中国で,女神が絶滅

揚子江に住んでいるイルカ「ヨウスコウカワイルカ」,中国名は「長江女神(揚子江の女神)」が絶滅したそうだ。
原因は,人間が揚子江に大量の汚水を流し続けているため。
揚子江流域では,カドミウム河に流され,住民がイタイイタイ病のような病気になっている地域もあるそうだ。
イルカが絶滅したり,イタイタイ病の発生している揚子江から,日本はウナギを輸入している。
揚子江産のウナギから人体に有害な物質「マラカイトグリーン」が検出されたこともある。

イルカの次に絶滅するのは,安い中国産のウナギが大好きな日本人でありませんように。

CSRや環境保護に熱心な企業は、中国からの調達には充分注意が必要でしょう。汚染物質垂れ流しの工場から仕入れていたり、汚染された食品を売っているなんてことになったら大変です。

2007年1月8日月曜日

「山本勘助」とCSR

山本勘助って,実在したかどうか怪しい人物だそうだ。最近は「市川文書」というたった一通の手紙に「管助」という名前が出てくること根拠に勘助は実在したという意見が体制を占めている。勘助と管助が同じかどうは不明。真相は歴史の闇の中。

この大河ドラマでは,武田信玄の側室、諏訪御寮人といわれた諏訪の姫は、「由布姫」として登場します。
しかし、今までは「湖布姫」という名前が一般的に使われていました。歴史に登場する女性の本名が、伝わっていないことが多いのですが、どちらが正しいのか不明です。

勘助にしろ湖布姫にしろ,よくわかっていない人物に勝手に色をつけて,「こんな人物だった!」と決めつけてドラマにしています。

CSRも同じようなもの。いったいCSRが何なのか誰もわかっていない。ISOがCSRの定義を一生懸命作っているが,まだCSRが何であるかを決められない。
みんながみんな,勝手に自分思いこみでCSRを定義している。今のところ,CSRは,山本勘助と同様,実態が不確かな存在だったりしている。

こんなんで良いわけがないと思うのだが,CSRが流行っているので,立派は会社はどこも会社が年頭挨拶でCSRに言及している。 三井化学は,CSRを人事評価に反映させる予定らしい。
いやはや何とも・・

2007年1月5日金曜日

悪魔の住む場所は地獄

エボラ出血熱といば致死率100%近い伝染病。ワクチンも治療法もない。アフリカではしばしば流行して,騒ぎになっている。
このエボラ出血熱で,ゴリラやチンバンジーも死ぬそうだ。野生のゴリラの8割がエボラで死んだ地域もあり,絶滅が心配されている。
人間が輸入した犬のジステンパーに感染して絶滅した日本オオカミ,日本軍が食べ尽くしたために絶滅したウェーククイナ,昭和初期には生きていたニホンアシカや二ホンカワウソも絶滅。

彼らからみると,人間は悪魔に見えることだろう。そんな悪魔が60億人にもなり,地球を覆い尽くそうとしている。悪魔のすみかは,地獄。悪魔に満ちあふれた地球は,地獄に違いない。

あと30年でこの悪魔が40億も増えて合計100億になる。木を植えたり,グリーン調達をしたりしたところで,全ての資源をどん欲に貪るこの悪魔が100億になったらどうしようもない。
悪魔の際限なき増殖に歯止めをかけないと,サステイナビリティもCSRもあったものではない・
地球が地獄になりはててしまう前に,なんとかしないと・・・

2007年1月3日水曜日

格差社会で,儒教が復活

中国で儒教が見直されているそうだ。論語を読み,孔孟の教えを広める取り組みが行われているという。
中国共産党は,儒教は封建的だとして弾圧し,四書五経を捨てていた。その方針を180度変えて,儒教普及活動開始だそうだ。
中国経済の発展と国内での貧富の格差拡大,拝金主義的傾向の強まりに対応しての方向転換らしい。
「お金が無くても,礼節を重んじ,暴動を起こしてはいけません。」とか,「党の経済政策に不満があっても,共産党に忠節を尽くしなさい。」とか教えるのだろうか。

格差拡大や拝金主義の蔓延は,世界のほぼ全ての国の共通の課題。中国で儒教が役に立つなら,世界に儒教を広めると良いだろう。
「色即是空」と唱え,金も財産も空しいと唱える仏教も役にたつかも。
「お金持ちが天国に行くのは,ラクダが針の穴を通るより難しい」と言っているキリスト教も役立ちそう。

貧乏人が暴れると,政治家やお金持ちは,とても困るので,貧困層が腹をたてないよう,なだめておく必要がある。貧困層を静かにさせておくのに役に立つ「教え」としては,さて,どれが一番だろうか。

腹の足しにならない教義より,CSRとか,社会貢献,チャリティなどで,餌をまいて静かにさせる手もある。
この手口は,アメリカやヨーロッパが得意だ。静かで従順な貧困層を手に入れる手段としては,中国流と欧米流のどちらに優れているのだろうか。

2007年1月1日月曜日

正月は空気がきれい

正月は,筑波山や富士山が東京からよく見える。房総半島の先まで見える。
みんなが仕事をはじめると,空気が汚れ見えにくくなる。
汚れた空気があるところに大勢の人間が住んでいる。空気が汚れている所は,経済が豊か。
大気汚染が繁栄の目印であり,企業が集まると空気が汚れるようでは,日本の企業の環境対策もまだまだですね。
もしかしたら,「水清くして魚住まず」ならぬ「空気清浄にして人住まず」なのだとしたら,環境対策を行って空気をきれいにしてはいけないのかも。