2007年2月28日水曜日

CSR型株主優待

投資家が株を買いたい理由は利殖だろう。
利殖以外に、社会に貢献するという付加価値を付けているのがワタミだ。ワタミの株主優待券を、ワタミに返却すると優待券1枚につき300円がNPO法人「スクール・エイド・ジャパン」へ寄付される。
これは、株を買ってもらうための Cause Related Marketing だ。自社商品の販売促進にCRMを使うのではなく、自社株の株価上昇のためにCRMを使っている例は他に知らない。
ワタミにとっては、新たな活動原資無しで社会貢献活動ができ、企業イメージが向上するメリットがある。株を買う人は、社会に貢献したという満足感が得られる。NPOは活動資金が手に入る。カンボジアやネパールには学校が建つ。みんながハッピーになれる。

2007年2月27日火曜日

未知のフロンティア

ディズニーランドでは「未知の世界」の冒険や「宇宙や海底へ進出する」人類の明るい未来が展開される。
しかし、現実の世界では、人工衛星が地球の隅々まで探査しており未知の大陸も島もない。日本の人口衛星でも地上にある1mの物まで見分けられる。
海底も、熱水鉱床やマンガン団塊、メタンハイドレイドなどの資源探査が進み、2791個のアルゴフロートや70個のTRITONが全世界の海洋を常時観察してもいる。海洋は,夢が入り込む余地が無い現実的な調査観測対象だ。
宇宙旅行も2千万円出せば可能。月旅行も一人20億でロシアが販売する計画がある。宇宙は,夢と冒険の世界ではなく、大金持ちが道楽で行く世界になってしまっている。

資源と市場の奪い合いではない持続的発展のためには、未知のフロンティアが必要だと思う。企業が、限られた資源と市場を奪い合うだけの企業活動では、サステイナビリティは大いに怪しい。
社会に夢を与え、未知のフロンティアを開く活動はCSRの範囲に入らないだろうか。コンサートやスポーツイベントだけでなく、未来に夢を持てるような、未知のフロンティアを発見できるような活動が展開できたら、閉塞感も打破できるだろうし、資源と市場の奪い合いではない継続的発展も可能になるだろう。

2007年2月26日月曜日

消費者まかせのCSR

ユニクロが今春から、すべての商品を対象にしたリサイクルを始める。
使わなくなった同社商品を洗濯したうえで、3月と9月に全国700カ所の店舗に衣類を持ち込むと,無料で引き取ってくれる。引き取った衣類は,着用できる物を国連やNPOを通じて海外の難民施設に寄贈し,破損した商品は燃料や断熱材などの原材料として再利用するとのこと。

古着を店舗に持ち込むか,ゴミとして捨ててしまうかは,消費者まかせ。店舗に持ち込んでも,メリットは何もなく,ゴミとして捨ててしまう方が手間はかからない。この状況で,どの程度の回収が見込めるのだろうか。本気での回収ではなく,社会的なポーズのように見える。
何もしない企業よりユニクロは立派だ。しかし,CSRがポーズに終始してしまうと,CSR自体がブームで終わってしまう。

2007年2月25日日曜日

政府がCSRに責任転嫁

政府は,CSR促進意識を高めるための協議会を来年度に設立するそうだ。
CSRの普及で製品の欠陥による死亡事故の防止などにも効果があるとみているという。バロマやリンナイのガス湯沸かし器事故,不二家の不衛生食品,観光バス運転手の激務による事故などを,CSRでカバーしたいとの思いがあるのだろう。
確かに,企業がCSRを認識して責任ある企業活動を行えば防げる事故は多い。しかし,それを政府が推進することは,政府行政の手抜きに聞こえる。人の生死に関わるような事項は,法令でしっかり規制し監督して欲しい。
法令も無く,監督機関もなく,善意と良識に命を預けるような社会は不安でしょうがない。

国民生活審議会が5月にも協議会設置の方針を打ち出すらしいが,政府の社会的責任(GSR)は,企業の社会的責任(CSR)以上に重要だ。GSRを放棄し,CSRに責任を押しつけることにならないように願う

2007年2月24日土曜日

SRIファンド

昨年末の日本のSRIファンドの残高は3000億円だそうだ。
全体では、日本の投資信託残高は60兆円あるので,3000億円は0.5%に過ぎない。
一般のファンドのトップは残高が5.5兆円もり、1千億を越えるファンド90本もり,TOP90だけで残高は32兆円を越える。その中にSRIファンドは無い。SRIファンド全体で3000億という額では,SRIファンドの陰は薄い。

SRIファンドの昨年末残高を拾ってみると以下のようになる。
612億円 ダイワ・エコ・ファンド(07Feb)
569億円 住信SRI・ジャパン・オープン(07Feb)
397億円 日興エコファンド(07Feb)
366億円 AIG-SAIKYO 日本株式CSRファンド(07Feb)
251億円 AIG/りそな 日本株式CSRファンド(07Feb)
192億円 損保ジャパン・グリーン・オープン(07Feb)
101億円 ダイワSRIファンド(07Feb)
56億円 エコ・ファンド(07Jun)
49億円 朝日ライフSRI社会貢献ファンド
41億円 フコクSRIファンド
42億円 野村グローバルSRI 100
36億円 UBSグローバル株式40(06July)
35億円 UBS日本株式エコ・ファンド(06July)
32億円 モーニングスターSRIインデックス・オープン(06July)
26億円 エコ・パートナーズ(06July)
25億円 三菱UFJ SRIファンド(06July)
21億円 グローバル・エコ・グロース・ファンド(06July)
32億円 地球温暖化防止関連株ファンド

一方ファンドTOP5は,
 5.6兆円 グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
 2.1兆円 ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)
 1.6兆円 ダイワ・グローバル債券F(毎月分配型)
 1.4兆円 マイストーリー分配型(年6回)Bコース
 1.3兆円 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月分配型
2700近くある日本のファンドの平均残高は220億円。
SRIファンドがいかに小粒かがよくわかる。

米国はSRIファンドの残高が約250兆円。3桁も桁が違う。
米国の投資信託全体(約850兆円)に占めるSRIファンドの割合は30%に相当する。0.5%の日本は、まだまだ伸びる(はず)。企業はSR,CSRに励めば、自社の株価上昇が期待できる(はずだ)。

2007年2月21日水曜日

チャイナリスク

中国との商売は、現地進出、輸入(調達)、中国への輸出(廃棄)のいずれにも以下のリスクが伴う。
為替リスクや反日感情、未整備な法体系などのリスクがあるが、
 (1)児童労働
 (2)環境汚染・健康被害
は大きい。

児童労働は、一部で常態化している。下請け、孫受け、仕入先などの企業で児童労働の実態が無いことを確認したほうがよい。

環境汚染は、深刻。河川を例にとれば、中国の定めた5段階の汚染度基準で最悪レベルの汚染度とされた河川は半分以上。そのうち3割は5段階の範囲にも収まらないほど汚染されている。鉱山などの大型工場ばかりが汚染源ではない。小さななめし皮工場や零細なごみ回収業者なども汚染源になっている。
仕入れにあたっては、気をつけたい。

2007年2月18日日曜日

紺綬褒状

富士通が、米国ハリケーン災害救済金寄付に対し,紺綬褒状をもらった。紺綬褒章(状)は,「公益の為私財を寄付し功績顕著なる者」に授与される勲章です。閣議決定し日本国政府が授与するちゃんとした勲章(褒賞)です。公的機関や公益法人などへの500万円以上(法人・団体では1,000万円以上)の寄付をおこなった者が贈呈候補者となっています。

寄付した会社だけでなく,CSRに頑張った企業も,対象に加えたらどうだろう。
社会に負担を強いる企業活動(外部不経済)の見直し(外部不経済の内部化)をしていかなかないと,公益が害される。ゴミを散らかす人が清掃活動に寄付をするのではなく,ゴミを散らかさないようにしようというのが,時代の流れだ。
温暖化が大型ハリケーンを生むなら,温暖化を防止への取り組みも,温暖化の被害者救済と同様に大切だと思う。

2007年2月17日土曜日

資源とサステイナビリティ

石油大国のサウジアラビアと石油・天然ガス大国のロシアが、接近している。非OPEC加盟国のロシアとOPECの盟主のサウジが協調して天然資源をコントロールしようとしている。
資源小国の日本としては、資源供給の安定性が多少揺らいでも、事業を継続するプランを用意しておき、サステイナビリティを確保しておく必要がある。
グリーン電力の利用、金属リサイクル(特にレアメタル)の確立などの対策が急がれる。環境負荷低減のためだけではなく、サステイナビリティ確保のためにも必要な対策だ。

2007年2月16日金曜日

CSR廃棄

「日本は廃棄物の“国内処理原則”を守り、資源循環に名を借りた“途上国への輸出”戦略を止めるべき」だと,海外のNGOが批判している。タイやフィリピンとの貿易自由化協定に廃棄物自由化条項を盛り込もうとしている動きを,日本の「廃棄物植民地主義」だとして批判を強めている
中国やインドへのゴミ輸出は,鉛や水銀、カドミウムなどの有害物質の飛散や,分解の際に使った溶剤が垂れ流しなどの汚染を引き起こしている。
日本はバーゼル禁止令に反対の立場を取り,廃棄物の輸出には寛容である。そのため,法令を遵守しているだけでは,海外から批判をあびることになる。CSRに取り組む企業のゴミが,海外で汚染や健康被害の元になることは,避けたいものだ。現地で健康被害にあっている人たちを前にして,「我が社は法令を遵守している」と言い訳しても見苦しいだけだ。
グリーン調達やCSR調達と同様に,グリーン廃棄やCSR廃棄を考えたほうが良い時期だ。

2007年2月15日木曜日

金額の多寡ではないCSR

06年の日本の国際収支(経常収支)は,19兆8390億の黒字。
19兆8390億の1%は,1984億だが,日本のODA額は,7500億。経常利益の3.8%だ。
経団連の後押しする1%クラブは,経常利益の1%を社会貢献に使おうと言っている。これを基準にすると政府のODA予算3.8%は合格レベルということになる。しかし,日本の国際貢献がどれだけ評価されているだろうか。
企業の社会貢献もお金を使っただけでは,評価が得られないのは同じだろう。

2007年2月14日水曜日

エコは飢餓を生む

昨年の穀物生産は、全世界で19.67億トン。一方消費は、20.40億トン。
消費のほうが7,300万トン多い。過去7年間のうち6年間は、消費が生産を上回った結果、世界の穀物在庫は、過去最低水準になり在庫量は、2ヶ月分を下回る。中国では、昨年12月にトウモロコシを原料とした新たなバイオエタノール生産プロジェクトを規制する緊急通知を発表した。穀物価格の高騰を抑えるための処置だ。
エコを求めて穀物エタノールの使用を増やすことが、食糧需給を悪化させている。穀物エタノールの利用推進は、エコではあるが社会貢献にならない。CSRの一環で取り上げる時は慎重に検討したほうが良さそうです。

2007年2月13日火曜日

社員食堂にCSRメニュー

社員食堂に、CSRメニューとして粗食のメニューを追加してはどうだろう。
以下の効果が期待できるのではないか。

  (1)途上国の食事を体験して、CSRマインドが高まる
(2)自分の健康増進や美容に役立つ
(3)いつもと同じ食事代で、社会貢献のお金を寄付できる
千人が、週に1度CSRメニュー食べ、100円づつ寄付にまわったら週10万で、年間500万になる。週に2度なら1千万。社食利用者が5000人なら5千万。

CSRメニューを食べない人でも、社食で粗食のCSRメニューを見るたびに、貧困と飢えに苦しむ人たちの存在に気づき、社員のCSRマインドは高まるはずだ。
社員の肥満が少しでも改善すれば、健康保険組合も医療費負担が減るので、健保組合とタイアップしても良いかもしれない。
どこかの会社が実施してくれないだろうか

2007年2月12日月曜日

EUでの環境犯罪

EUが環境犯罪(人命や自然に重大な影響を及ぼす環境犯罪)に最長10年の禁固刑を科すことなどを加盟国に義務付ける指令案(法案)を2月9日に採択したそうだ。企業に対しては最大150万ユーロ(約2.4億)の罰金だそうだ。(1)有害物質の違法廃棄(2)廃棄物の違法輸送(3)絶滅危惧種の違法取引 などが対象になる。
日本では、不法投棄や不法投機目的の運搬は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金です。EUに比べて軽いですね。日本政府が企業に甘いので、量刑が軽いのですが、EUでは環境に対する意識が高いので量刑が重いと見ることもできます。

2007年2月11日日曜日

CSRは一日一善

企業が社会的責任を果たしているかをチェックし、CSRへの取り組みが十分だとか不十分だとか指摘できるのだろうか。
コンプライアンスは、基準となる法律があるので、法に照らしてのチェックが可能である。しかし、サイステイナビリティや社会貢献、ER(従業員満足度)などはチェック可能なのだろうか。
社会貢献に使う金額が利益の1%を下回っていると批判するのだろうか。
再生紙を使う企業と、ペーパーレスにした企業のどちらが立派かをどうやって計るのだろう。
従業員満足度が低いとか、高いとか何を基準に判断するのだろうか。
ネッスル日本労働組合神戸支部の書記長が、「企業が社会的責任を果たす上で、労働組合のチェック機能が何にもまして不可欠である」と言っているのをネットで見て、なにやら違和感を感じた。

法的責任範囲を超えて、社会的責任を果すことは、一日一善の実行のようなものだと思う。一日一善するより二膳をする人のほうが、良い人だということはない。一善をさぼると批判されるようなものでもない。
立派な企業は尊敬される。そうでない企業は、軽蔑されるかもしれないが、批判の対象とならないと信じたい。100点満点のCSRでなくても、5点や10点のCSRでよいから企業はCSRに取り組んでもらいたい。
十日に一善でも、月に一善でも良いはずだ。CSRが不十分だと批判されることはない。立派な企業となるよう、CSRを始めて欲しい。まずは、年に一善でも良い。

2007年2月10日土曜日

社会貢献と宣伝広告

日立の樹が伐採されるのを防ぐため、樹のオーナーに日立が年間4,200万を支払い独占的に広告に使用する権利を取得した。樹は残ることになったが、これは日立の宣伝広告活動であって、社会貢献の要素は少ないと思う。

トヨタが、「第13回チャイコフスキー国際コンクール」のジェネラルスポンサーになった。トヨタは、2.5億円を負担する。これは、メセナではあるが社会貢献と断言するのには抵抗感がある。
宣伝広告と社会貢献の境目は、極めて不明瞭。分離して考える必要はないかもしれないが、広告として役に立つ社会貢献活動だけがCSRとして行われるのは、避けたい。

2007年2月9日金曜日

障害者雇用

CSRの領域には,障害者雇用も含まれる。その際,障害者と健常者を同じ職場で区別なく同等に扱うのが良いのか,あるいは,それぞれの適正にあった職場を用意するのが良いのかは,難しい。

コクヨが,グループの障碍者雇用促進を目的として,別会社をつくり,その会社で野菜作りを行う。障害者の職場が増えるので良いこととは思うが,障害者はA社で雇用し,健常者はB社とC社で雇用する,A社とB社,C社あわせてグループ全体としては障害者雇用を促進するという手法に抵抗感を感じる。
抵抗感があるのは,障害者を隔離する手法のように思えるからだと思う。難しい~

2007年2月8日木曜日

持続可能な木材資源

昨年のキノコの売上げが,材木の売上げを上回った。100年かけて杉や檜を育てるより,キノコを作っていたほうがお金になる。森を育てる人がいなくなるのも当然だ。

日本の木材生産が,キノコに負けてしまう程に衰退した原因は,輸入木材だ。
原生林から切り出した木は,植林費用も育てる費用もかからないので安い。木を植えて,下草を刈り,間伐をし,枝打ちをして樹を育てる日本の林業が値段でかなうわけがない。
しかし,原生林は切り尽くしてしまえば終わり,持続可能な資源ではない。野生生物の絶滅や,CO2吸収量の減少,伐採後の荒廃などの問題も引き起こしている。
CSRやサステイナビリティ,社会貢献を言うなら,安さにつられて原生林の木を買っていてはNG。原生林からの木材は原則として使わず,人が植えて育てた木をを使う原則の確立が必要だと思う。

2007年2月7日水曜日

法的責任とCSR

日本に出稼ぎに来たブラジル人が,警察から逃れ,ブラジルに逃げるケースが増えているという。昨年は84人。これは,外国人労働者を低賃金で酷使している企業の責任でもある。
白人以外の外国人は差別される。貧しいとさらに差別は厳しい。月給3万円では,生活できず犯罪に手を染める。犯罪が増えると差別が助長される。法律で定められた最低賃金を下回る金額で外国人を酷使する企業の責任は大である。

大企業は,自ら手を汚してはいないだろうが,大企業からの値下げ圧力に応えるために下請け企業は超低賃金で従業員を雇わざるを得ない。その結果,外国人が低賃金で酷使される。

日本の大企業は,海外での児童労働にも無関心だ。中国に工場を持つ企業は多いが,工場建設現場で子供が働いているのを知っているのだろうか。子供に煉瓦を運ばせているのは,地元の建設会社なので,工事を発注した日本企業に法的責任は無い。
下請け会社が外国人を,違法に酷使しても元請けの企業に法的責任は無い。

しかし,法的責任範囲を超えて,社会的責任を果たそうというのが,CSRのはずだ。

2007年2月6日火曜日

良い物は高く

企業が社会的責任を果たすためには,コストがかかる。
良い物を安く調達しようとする企業労働が,下請け会社を圧迫し,悲惨で違法な外国人労働を生んでいる。人工林の木材より安い原生林の木材を調達するので,森林破壊を生む。
外国人労働者の酷使も,原生林伐採も,持続可能ではない。CSRを考えるなら,やめるべきだが,コストが増え値段が上がると,消費者が買ってくれないので,止められない。
CSRの推進には,社会や環境に負担をかけていない製品を高くても買うという消費者の覚悟が必要だ

2007年2月5日月曜日

中国にPCを捨てる

中国やインドの貧しい農村や大都市の郊外に、壊れたパソコンなどの電子ゴミがあふれていると人民日報が報じている。

ひらがなキーボードや、「通信工事課」「データ消去済」など、日本のシールが張られたパソコンもあったそうだ。

電子ゴミは、有害廃棄物を規制するバーゼル条約で輸入国の同意がないと,輸出できない。しかし、実際は「中古パソコン」「混合金属」などとして取引されている。
香港の闇業者が,税関とは裏で結びつき,中古品やくず鉄など別の品目で正規輸入手続きをし、税関に中身を調べられることもなく,中国本土に運ばれているそうだ。

PCの基盤などから銅を溶かしだして,売ると1キロ約820円で売れる。ゴミが集まる貴嶼村の月収は1千~1500元だが,ゴミ処理業なら従業員4,5人の零細企業でも月の売り上げが200万元(約3千万円)になることもあるという。電子ゴミ処理は破格のビジネスなのだそうだ。

しかし,パソコン部品に含まれる鉛や水銀、カドミウムなどの有害物質が大気中に飛散したり、分解の際に使った溶剤が垂れ流されたりして住民が健康を害してもいる。1歳から6歳までの子供165人のうち、135人が鉛中毒だったとう調査結果もある。貴嶼村のゴミ問題には,グリーンピースも注目している。

廃棄物の処理を業者任せにしておくと,自分の会社名が書かれたシールが,中国のゴミの山から見つかることになるかもしれない。「業者に任せた。その後は知らない。」とか「リサイクル資材として買ったほうの責任だ」というスタンスからは,社会的責任を果そうという積極的な気持ちは感じられない。
ゴミは最後まで確認するよう気をつけたい。

2007年2月3日土曜日

ソーラー船でCSR

ソーラー船がシドニー湾で、タロンガ動物園との往復フェリーとして就航した。この船は、風と太陽電池を使って7ノット(時速13km)で走る。ヨットや帆船ではない。天然ガスのエンジンも搭載しており、併用すると12ノットまで出せる。

のんびり輸出入しても良い品物なら、帆船やソーラー船で運べばCO2削減。洋上在庫の増加、資金回収の遅れなどのコスト増をCSRのコストと割り切れれば、実現できるのではないだろうか。
木を植える以外にも、CO2削減に貢献する道はあると思う。

2007年2月2日金曜日

少子化対策は社会貢献か

2007年1月に北京で生まれた子供の数は前年比108%の13万人。ベビー用品の売り上げは前年比120%になっているそうだ。今年の中国は、ベビーブーム。縁起の良い60年に一度の「金猪年(金の豚年)」だからだ。同じ理由で韓国もベビーブーム。
日本の少子化は問題だ。しかし、世界の人口爆発も問題だ。視点をどこに置くかによって、社会貢献の内容もCSRの取り方も変わる。日本のことを考えたら、人口増加が必要。世界のことを考えると人口抑制が必要。
さて、グローバル企業は、どうする。

2007年2月1日木曜日

ブリジストンと児童労働

ブリジストンが,世界で最も無責任な企業としてPublic Eye Awards 2007 を受賞した。
子会社が,リベリアで子供を働かせているなどとして,アメリカの人権団体、国際労働財団によって訴えられていることが原因。ネットでは右のような写真が公開されている。

リベリアの失業率は80%。仕事があるだけ恵まれているとか,十分な給料を払っているとか,内戦で教育システムが崩壊してしまったから,会社で教育しているとかいう話も聞こえてくる。
「おしん」は子供のときから働いていた。子供だからという理由で「おしん」を解雇して家に帰したらどうなっただろう。子供を解雇すれば済むという問題ではない。最初から子供は一切雇わないという方針を貫き通しても,ストリートチルドレンを放置していたら,責任ある企業とは言えない。
児童労働に対する責任の取り方は難しい。